愛され系男子と食の話

5年ぐらい前の話。僕が今でもちょこちょこお世話になっている飲み屋さんに通いだして

少し経った時のこと。

そのお店は日本酒がメインのお店で、お客さんも日本酒に詳しいおじさま方が多く、

今となっては僕よりも若いお客さんは沢山いるものの、その頃は僕が日本酒を飲んでいるだけで、

 

「若い子がこういう所で日本酒飲んでるなんていいねぇ」

 

なんて少しもてはやされたものだった。

 

とある日、いつものように店のドアを開けると1人の青年が飲んでいた。

聞くと僕の2つ下、地方から京都に引っ越してきて、近くで働いているそう。

名前は☆くん、年も近く、たわいのない話をしていたら彼がひと言。

 

「僕、ともだちがいないんで、ともだちになってくれますか?」

 

突然のひと言に笑ってしまい、そして、年下の子が心を開いてくれた嬉しさに

 

「もちろん、いいよ」と答えて僕らはともだちになった。

 

 

...それから店に通うたびに変化が生まれていく。

 

「どこどこに住んでいる、どこどこで働いている山本くん」

という紹介から少しずつ、

「☆くんのともだちの山本くん」

さらには

「あ、☆くんのともだち」

 

お客さんまでもが

 

「あー!☆くんのともだち!」

 

と。

 

どういう事だ、いつの間に俺は☆くんに飲み込まれてしまったんだ。

何なら「ともだちになってください」って言われたのこっちだぞ。

☆くんこそ「山本くんのともだち」だろう!

 

あとあと話を聞いてみると、☆くんは僕よりも遥かにこのお店の常連となり、

会う人会う人にあの殺し文句

 

「僕、ともだちがいないんで、ともだちになってくれますか?」

 

を連発していたのだ。

 

そうやって、このお店、それだけにとどまらず、ほかのお店も「ともだち」にして

ちょっとした有名人になっていた☆くん。

 

誕生日には店で誕生会が開かれるようになった☆くんは、かなりのやり手。

 

 

☆くんのともだちになった人は誰もが言う

「☆くんはなんかずるい、なんか分かんないけど憎めないやつで、なんかかわいい」

 

おじさんもおばさんもお姉さんもお兄さんもメロメロしている。

そんな僕もなんか悔しいけど、☆くんが好きである。

 

そんな「愛され小悪魔系(笑)」な☆くんは最近入籍したそうだ。

出来るのであれば、僕を結婚式に呼んでくれないか。

 

☆くんのともだちとして。

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