給食にまつわる話 山本編

給食の思い出と聞かれて、思い出す事は何だろうか。
揚げパンが美味しかった、カレーが楽しみだった、牛乳余ったやつジャンケンで取り合った。
美味しかった思い出が多いだろう。
でもその逆もある、「美味しくなかった」思い出。

とある日僕は風邪で学校を休んだ。
休みであることが嬉しくて、朝のアニメを見て
教育テレビを見て、普段では味わえない多幸感に包まれていた。
ワクワクさんとは、僕の事だ、休みの僕こそが本当のワクワクさんであると
そう信じて疑わなかった。

そうやって時間を過ごし、家のチャイムが鳴った。
ドアを開けると友達が、連絡帳を届けに来てくれたのだ。

「ありがとう、今日なんかあった?」

「それがさ…今日給食で納豆の天ぷらってのが出てさ…」

「うん、それで?」

「めっっっちゃまずくてさー!クラス中みんな吐きまくって大変だったんだよ!」

「えっ…」

納豆の天ぷら?吐きまくった?
めっっっちゃ面白そうやん!それ!

 

何で俺は休んでしまったんだ…何がワクワクさんだ…何がこのまちだいすきだ…だいきらいだ!
それからというもの僕は給食カレンダーを毎日眺め納豆の天ぷらが再臨することを願い続けたが、結局その夢は叶わず小学校を卒業した。
そして、何があっても休まなくなった。
飲み会でも、途中で帰らなくなった。
僕が帰った瞬間に、何か面白いことがあったらどうしよう、
僕が休んでる日に、何か面白いことがあったらどうしよう、
そんなメンドくさい人間になってしまった僕は今日も納豆の天ぷらの呪いに苛まれて、つまらない飲み会に顔を出す。

 

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